実務翻訳雑記帳

特許・技術・法務系の和英翻訳ノート

辞書

会社や特許事務所に勤務していた時代は、在宅勤務に憧れてました。でも、自営になって、十年以上自宅で仕事していると、今度は、オフィスを借りて毎日出勤したいと思うようになったりもします(笑)。仕事が忙しいと、ほとんど外に出なくなってしまうので、たまに用もないのにカフェに行ったりしますが、外出先ではあまり仕事はしません。仕事部屋のPCには、辞書やツールなど様々入れてあるので、そこで仕事をするのが一番効率いいですし。

一日中PCの側にいると、そこで何でも済んでしまうので、スマホとかあまり必要な気がしません。取引先とも、テキストベースの非同期な連絡がほとんどなので、電話機能も使わないし…。

なので、アプリとかもあんまり入れてなかったのですが、ちょっと思い立ってMerriam-Webster Dictionaryを入れてみたところ、これがかなり使いやすい。

仕事では、Merriam-Webster's Collegiate Dictionaryを使いますが、排列が「歴史順」というのかな、その言葉の由来の古いものから順に並んでいるので、必要な箇所にたどり着くのに時間がかかります。最初からちゃんと読むと、その語義の重層的なスペクトラムがゆっくり広がって、身に沁みるような納得感が得られるのだけど、時間がかかりすぎて、読んでたテキストの内容も忘れてしまうので(笑)、やはり「頻度順」の辞書に手が伸びます。たとえば、The American Heritage Dictionaryのペーパーバック版とか好きです。

ただ、アメリカの特許裁判とかで、語義が問題になると、必ずWebsterが参照されるらしいので、たまに見るようにしてはいました。

それが、アプリ版だと、高頻度の重要語義がまず最初に示され、そこだけ薄いブルーの背景になってて、ひと目ですぐに必要な語義がわかるようになってます。そのうえで、余裕があれば、続くFull Definitionで「歴史順」の記述を読んでいけばよいと。ホントにうまくできてます。

外出時に、ペーパーバックなんか読むときには、スマホの電源を常時ONに設定して、このアプリがいつでも見られるようにしてます。

このWebster、大満足なのですが、ネイティブ・スピーカー用の辞書は、名詞の可算/不可算が載ってなくて、英訳したり作文したりするときには困るので、有料だけど、Merriam-Webster Learner's Dictionaryも入れました。自分がこんなにスマホを高頻度で使うようになるとは思わなかったのですが、スマホ、便利ですね(今更…)。


仕事用のPCには、EPWING規格の辞書をやたらと入れてありますが、主に、『ビジネス技術実用英語大辞典』、『ジーニアス英和大辞典』、『リーダース』+『リーダース・プラス』、『新和英大辞典(研究社)』なんかをよく使ってました。

長年変わらぬスタイルだったのですが、アプリでWebsterをよく引くようになってから、PCにインストールした辞書をあまり引かなくなってしまいました。特に和英の仕事の場合、辞書を引くのは、知らない言葉の意味を調べるというよりは、ボンヤリとはわかってはいることを、確認したり比較したりという作業になるので、最初からWebsterを引くのが手っ取り早いということに、ようやく気がついたのでした(遅っ)。

WebsterにPC版があるのかどうか、知らないのですが、Merriam-Websterと、そのLearner'sがWebにあるので、それで用が足りてしまっています。
昔は、お金を出して辞書やツールを揃えたものですが、最近では、ブラウザさえあれば、Webで何でも手に入るということで、便利な世の中になってしまいましたね。