実務翻訳雑記帳

特許・技術・法務系の和英翻訳ノート

英検1級

英検1級を受験したので、少しだけメモ。TOEFLやTOEICなどは受験したことがあるけど、だいぶ昔なので、履歴書用にもなるかと、英検を受験することにした。特に期限なく成績証明しれくれるし、国内向けにはわかりやすいだろうということで。 英検1級は、学習…

和漢英混淆

小学校からの英語教育には反対も多い。それよりも国語をしっかりやるべきという意見もある。しかしながら、国語の授業を増やせば国語力が向上するというものでもない。国文法を正面から勉強するよりも、英語学習を通じて、より切実に国文法を意識したりする…

「~部」と"...unit"

特許分野において、ある装置の構成要素の名称として、「制御部」や「画像処理部」など、「~部」という表現が頻出する。これに対応する英語は、controllerやimage processorのように、「部」に対応する単語を含まないことも多い。 ところが、逐語的対応を好…

二重懸垂技法

かなり古いけれど、英訳の参考書として、以下の一冊を挙げておきたい。小正幸造『すぐれた英語翻訳への道―創造する翻訳者が使う技法集』 英訳を始めた頃に一読し、とても勉強になった。 特に、目から鱗が落ちる思いがしたのが「二重懸垂技法」(p.78〜)。 和…

スキルの掛け算?

複数分野のスキルを組み合わせることで、希少性のある人材になれるという話をよく聞く。ある分野で100人のうちの1人になるまでスキルを磨き、さらに別の分野で同様に修練すれば、両者の掛け算で1万人に1人の人材に成れるとか。 さらに、これらの専門分野が異…

assignと前置詞

assign O1 O2 assign O2 to O1 「O1にO2を割り当てる。」 前者の用例で、withを使う誤用をよく見かける。 以下のように、受動態で用いることも多い(不要な前置詞を入れないように注意)。 The computer is assigned an IP address.

et al. と「等」

前から気になってたこと、ツイートしたのですが、いろいろ調べるべきこともあるので、記事に残しておこうと思います。 et al. は、and others の意味。others複数だから、通例2人以上を指す。なので、著者2人なら両名とも記載するべきで、3人以上の時には…

emailとmail 可算か不可算か

John Grisham "Playing for Pizza"を読んでいたら、his e-mails to themという表現がありました。e-mailが可算名詞(複数)として扱われているのですね。 mailは不可算名詞なので、e-mailも不可算だったのだとは思います。それで、email messagesなどの表現…

「備える」と「からなる」

特許分野で、ある装置に、A、B、Cという構成要素がある場合に、 「X装置は、Aと、Bと、Cとを備える。」 と表現しますけど、これは、A、B、Cは最低限含んでいるけど、さらにDも含んでいてもいい、ということを意味する表現です。 訳すと、 An X apparatus com…

英語の資格試験

翻訳者として求人に応募する時に、英語の資格が何か必要なのかというと、あまり関係ないと思います。 特許事務所の求人でも、内勤の事務員さんとかは、TOEIC 860点以上だのなんだのと要求されるのに、翻訳者はそういうのがあまりありません。 特に、フリーラ…

特許翻訳と特許法

特許法を知らないと、特許翻訳はできないかというと、それほどのこともないと思います。知らないでやっている人も多いです。 それでいいかどうかは、別ですけど、需給やコストの制約がありますから、業界の隅々までベスト・プラクティスというわけにはいかな…

キーボード

翻訳していると、一日中キーボードを使うので、自分に合った製品が見つかると、作業効率は上がるし疲れなくなるし、ということなので、ここは妥協せずに、いろいろ試してみる必要があります。 好みが別れるのですが、ノートパソコンとかに慣れてて、キースト…

翻訳チェック

「好きなことで生きていく」というほどには翻訳が好きでもなく、関係各位に申し訳ないのですが、それでも、この仕事をしてて、嫌だなぁと思うことはほとんどないです。 特に、フリーランスになってからは、自分の好きなペースで好きな音楽や動画を聞き流しな…

Wordとどう付き合うか

翻訳メモリを使わないのであれば、翻訳作業は、Wordでやるのが標準的だと思います。でも、Wordって、しくみが複雑だし、いちいちおせっかいなので、できれば使いたくないんですよね。 原稿の受領や訳文の納品時には、どうしてもWordファイルを使うことになる…

可算名詞と不可算名詞

大学の第二外国語とかで、ドイツ語やフランス語やると、名詞に性があったり、格変化があったりで驚きます。英語にもないわけではないですが、かなり希薄になってますよね。 でも、単数複数の別はしっかりありますし、そもそも、可算名詞と不可算名詞の区別が…

翻訳作業の実際(翻訳メモリ)

翻訳メモリというのは、原文と訳文とのペアを文単位で記録しておき、以後の翻訳に再利用しようとするものです。 新たに訳そうとする箇所が、既に訳したところと類似しているときには、対応する訳文を引っ張ってきて、それを修正する方式で、訳文を完成させま…

翻訳作業の実際(用語一括置換+並べ替え)

翻訳作業の手順は、翻訳者によって様々だと思いますが、最近は、Tradosなどの翻訳メモリが急速に普及していますね。 ソフトウェア系のローカライズ翻訳などでは、Trados使わない人はいないのではないかな。 翻訳メモリについては、また書こうと思いますが、…

特許翻訳を自習するには

文芸翻訳と違って、実務翻訳の場合は、なんとなく翻訳者になってたという人が多いように思います。私もそうなんですが。特に、特許翻訳だと、特許事務所に勤務していてなんとなく翻訳やるようになったという無自覚的キャリアパスが多数派なような…。 でも、…

中間処理

特許事務所は、主として特許庁への出願業務をやるわけですが、案件が特許庁に係属した後、審査官とやりとりすることがあります。ちなみに、日本では、金を払って審査請求というのをやらないと、審査してくれないんですが…。 審査のプロセスで、審査官が理由…

米語と英語

中学校で英語を勉強し始めてからずっと、基本的に米語が基調だったのかなと思います。あまり熱心に勉強しなかったのでよくわかりませんけど。 英語を専門的に勉強したわけでもないので、アメリカ英語とイギリス英語とを意識して区別する感覚もなかったのです…

和訳と英訳

このところ、和英の仕事がほとんどで、英和をあまりやってません。あ、最近は、日英、英日とかいうんだったっけな…。 ネイティブスピーカー並に英語できる翻訳者さんでも、英和中心にやってる人もいます。ふつうは英和の方が単価安いんだけど、スピード出せ…

辞書

会社や特許事務所に勤務していた時代は、在宅勤務に憧れてました。でも、自営になって、十年以上自宅で仕事していると、今度は、オフィスを借りて毎日出勤したいと思うようになったりもします(笑)。仕事が忙しいと、ほとんど外に出なくなってしまうので、…

英語学習法

海外生活とか留学とか全く経験ないので、いつまでも英語には自信ないです(苦笑)。仕事は、きっちり調べて頑張ってるので、あまりご迷惑かけてないと思うのだけど、「英語力」というスペクトラムは相当に幅広いので、各専門分野の実務翻訳に使う能力は、そ…

米国特許制度の学習

日々の翻訳案件に必要な本は読むものの、なにかと勉強が疎かになりがちなので、とりあえず手持ちの本を再読。たとえばこんなもの。 木村耕太郎『判例で読む米国特許法〔新版〕』 初版は2001年で、新版が2008年5月発行。この新版の説明は、2007年10月1日現在…

はじめに

特許分野を中心に、実務翻訳をやっています。技術関係や法律関係など、いろいろ調べながら作業するのですが、案件が終わると、調べたことも忘れてしまうので、公開可能な情報はメモに残しておこうと思います。 以前にも、他のブログで雑多に書き散らしたりし…