実務翻訳雑記帳

特許・技術・法務系の和英翻訳ノート

翻訳チェック

「好きなことで生きていく」というほどには翻訳が好きでもなく、関係各位に申し訳ないのですが、それでも、この仕事をしてて、嫌だなぁと思うことはほとんどないです。

特に、フリーランスになってからは、自分の好きなペースで好きな音楽や動画を聞き流しながらやってるので、遊んでるようで申し訳ないぐらい。長時間やっててもあまり疲れません。

ただ、どうしても苦手なのは、翻訳チェックです。リズミカルに英語を打ち込む翻訳作業は、軽快で楽しいですが、チェックは神経も使いますし、まるで仕事してるみたい…。

チェックで自分のミスをどれだけ正確に特定できるか、というのはプロの力量の試金石。私はあまり自信ないんですが、それでも、気合を入れて頑張っています。

もちろん、気合だけでなく、皆さん、様々なチェックツールを作ったり、工夫されてますよね。

私も、正規表現で、ピリオド後にスペース2つ入ってるか、とか、ピリオド入れ忘れて改行してないかとか、やりそうなパターンは事前に潰しておきます。もちろん、スペルチェックも入念にやります。

それでも、最終的には、一文ごとに日英対照していくしかありません。

最近では、セキュリティの観点から、プリントアウトに制限を課すクライアントさんもいるので、チェックもやりにくくなってきました。

以前は、原文を左側に置き、チェック箇所の直下に定規をおいて、右側に訳文を置いて、終わったところにペンでスラッシュを入れていく、という感じでやっていたものです。

 

大量の案件の場合、やはり翻訳メモリが便利かなと思います。

翻訳メモリの画面上で、セグメントごとに日英対照できると、チェックしやすいですね。

それと、翻訳メモリだと、翻訳作業中に、1セグメント訳し終えて、そのセグメントをすぐにチェック、という流れが、自然にできるのがいいです。全部終えたところで最初からチェックすれば、その時点で、2度目のチェックをすることになるわけです。

チェックで修正する場合にも、翻訳メモリであれば、フィルタをかけて類似箇所を並べ、一気に修正していくということが簡単にできます。誤訳修正だけでなく、表現に統一感が出ます。

翻訳よりも、チェックの工程で、翻訳メモリが有用だと感じるぐらいです。

用紙をむやみに使わなくなるのもいいですね。最近では、大量にプリントするのがちょっと嫌だなぁと思うようになりました。

書籍も電子版の方が検索楽だし、ずいぶんやり方が変わってきたものです。

そのうち、「プリンタもってませんけど…」とか、「3Dプリンタならあるんですけど…」とかいう若手翻訳者に会いそうな予感が…