Wordとどう付き合うか
翻訳メモリを使わないのであれば、翻訳作業は、Wordでやるのが標準的だと思います。でも、Wordって、しくみが複雑だし、いちいちおせっかいなので、できれば使いたくないんですよね。
原稿の受領や訳文の納品時には、どうしてもWordファイルを使うことになるんですけど…。
いっそのこと、『エンジニアのためのWord再入門講座』なんかを読んで、Wordをよく理解してから使ってみようかと思ったこともありますが、やっぱり好きになれません。
新田順也さんとかは、Wordのマクロを徹底的に使いこなしていて、これはこれで凄いと思います。
他には、Wordのオートコレクト機能を活用する人もいます。オートコレクトは、本来、ダイナミックにスペルミス訂正してくれる機能ですが、それを入力支援に利用するのですね。
たとえば、"@tpi"と入力して、"the present invention"に変換させるといった感じです。これを利用するためには、"@tpi"→"the present invention"というペアを、予め登録しておく必要があるんですが…。
興味のある方は、倉増一先生のサイト(トランスプライム)の「オートコレクトを徹底的に活用する」を見てみるといいと思います。
こういったことは、テキストエディタのスニペット機能でもできます。
私の場合、EmEditorのスニペットを入力支援に使うことがあります。スニペットは、プログラマーがコードを書くときの入力支援に使われるものですが、これを訳文の入力に利用するわけです。
用語集をスニペットとして取り込むための簡単なスクリプトを書いて、登録しやすいようにしています。
テキストエディタで作業すると、上付/下付文字の処理ができないのがちょっと困りますね。訳文完成後、Wordに貼り付けた後に、手作業で置換するか、自動化するならWordマクロを書く必要があります。
Wordでの処理をできるだけ減らしたければ、WSH (Windows Script Host) で、JScriptかVBScriptを使うという手もあります。これなら、外部からWordファイルを処理できます。
クジラ飛行机さんの『仕事がはかどるJavaScript活用術─Word/Excelで自動処理して効率アップ』なんかが、参考になります。
そこまでWordを嫌わなくてもとも思うのですが、仕事は気持ちよくやりたいですからね。