実務翻訳雑記帳

特許・技術・法務系の和英翻訳ノート

2017-01-01から1年間の記事一覧

et al. と「等」

前から気になってたこと、ツイートしたのですが、いろいろ調べるべきこともあるので、記事に残しておこうと思います。 et al. は、and others の意味。others複数だから、通例2人以上を指す。なので、著者2人なら両名とも記載するべきで、3人以上の時には…

emailとmail 可算か不可算か

John Grisham "Playing for Pizza"を読んでいたら、his e-mails to themという表現がありました。e-mailが可算名詞(複数)として扱われているのですね。 mailは不可算名詞なので、e-mailも不可算だったのだとは思います。それで、email messagesなどの表現…

「備える」と「からなる」

特許分野で、ある装置に、A、B、Cという構成要素がある場合に、 「X装置は、Aと、Bと、Cとを備える。」 と表現しますけど、これは、A、B、Cは最低限含んでいるけど、さらにDも含んでいてもいい、ということを意味する表現です。 訳すと、 An X apparatus com…

英語の資格試験

翻訳者として求人に応募する時に、英語の資格が何か必要なのかというと、あまり関係ないと思います。 特許事務所の求人でも、内勤の事務員さんとかは、TOEIC 860点以上だのなんだのと要求されるのに、翻訳者はそういうのがあまりありません。 特に、フリーラ…

特許翻訳と特許法

特許法を知らないと、特許翻訳はできないかというと、それほどのこともないと思います。知らないでやっている人も多いです。 それでいいかどうかは、別ですけど、需給やコストの制約がありますから、業界の隅々までベスト・プラクティスというわけにはいかな…

キーボード

翻訳していると、一日中キーボードを使うので、自分に合った製品が見つかると、作業効率は上がるし疲れなくなるし、ということなので、ここは妥協せずに、いろいろ試してみる必要があります。 好みが別れるのですが、ノートパソコンとかに慣れてて、キースト…

翻訳チェック

「好きなことで生きていく」というほどには翻訳が好きでもなく、関係各位に申し訳ないのですが、それでも、この仕事をしてて、嫌だなぁと思うことはほとんどないです。 特に、フリーランスになってからは、自分の好きなペースで好きな音楽や動画を聞き流しな…

Wordとどう付き合うか

翻訳メモリを使わないのであれば、翻訳作業は、Wordでやるのが標準的だと思います。でも、Wordって、しくみが複雑だし、いちいちおせっかいなので、できれば使いたくないんですよね。 原稿の受領や訳文の納品時には、どうしてもWordファイルを使うことになる…

可算名詞と不可算名詞

大学の第二外国語とかで、ドイツ語やフランス語やると、名詞に性があったり、格変化があったりで驚きます。英語にもないわけではないですが、かなり希薄になってますよね。 でも、単数複数の別はしっかりありますし、そもそも、可算名詞と不可算名詞の区別が…

翻訳作業の実際(翻訳メモリ)

翻訳メモリというのは、原文と訳文とのペアを文単位で記録しておき、以後の翻訳に再利用しようとするものです。 新たに訳そうとする箇所が、既に訳したところと類似しているときには、対応する訳文を引っ張ってきて、それを修正する方式で、訳文を完成させま…

翻訳作業の実際(用語一括置換+並べ替え)

翻訳作業の手順は、翻訳者によって様々だと思いますが、最近は、Tradosなどの翻訳メモリが急速に普及していますね。 ソフトウェア系のローカライズ翻訳などでは、Trados使わない人はいないのではないかな。 翻訳メモリについては、また書こうと思いますが、…

特許翻訳を自習するには

文芸翻訳と違って、実務翻訳の場合は、なんとなく翻訳者になってたという人が多いように思います。私もそうなんですが。特に、特許翻訳だと、特許事務所に勤務していてなんとなく翻訳やるようになったという無自覚的キャリアパスが多数派なような…。 でも、…

中間処理

特許事務所は、主として特許庁への出願業務をやるわけですが、案件が特許庁に係属した後、審査官とやりとりすることがあります。ちなみに、日本では、金を払って審査請求というのをやらないと、審査してくれないんですが…。 審査のプロセスで、審査官が理由…

米語と英語

中学校で英語を勉強し始めてからずっと、基本的に米語が基調だったのかなと思います。あまり熱心に勉強しなかったのでよくわかりませんけど。 英語を専門的に勉強したわけでもないので、アメリカ英語とイギリス英語とを意識して区別する感覚もなかったのです…

和訳と英訳

このところ、和英の仕事がほとんどで、英和をあまりやってません。あ、最近は、日英、英日とかいうんだったっけな…。 ネイティブスピーカー並に英語できる翻訳者さんでも、英和中心にやってる人もいます。ふつうは英和の方が単価安いんだけど、スピード出せ…

辞書

会社や特許事務所に勤務していた時代は、在宅勤務に憧れてました。でも、自営になって、十年以上自宅で仕事していると、今度は、オフィスを借りて毎日出勤したいと思うようになったりもします(笑)。仕事が忙しいと、ほとんど外に出なくなってしまうので、…

英語学習法

海外生活とか留学とか全く経験ないので、いつまでも英語には自信ないです(苦笑)。仕事は、きっちり調べて頑張ってるので、あまりご迷惑かけてないと思うのだけど、「英語力」というスペクトラムは相当に幅広いので、各専門分野の実務翻訳に使う能力は、そ…

米国特許制度の学習

日々の翻訳案件に必要な本は読むものの、なにかと勉強が疎かになりがちなので、とりあえず手持ちの本を再読。たとえばこんなもの。 木村耕太郎『判例で読む米国特許法〔新版〕』 初版は2001年で、新版が2008年5月発行。この新版の説明は、2007年10月1日現在…

はじめに

特許分野を中心に、実務翻訳をやっています。技術関係や法律関係など、いろいろ調べながら作業するのですが、案件が終わると、調べたことも忘れてしまうので、公開可能な情報はメモに残しておこうと思います。 以前にも、他のブログで雑多に書き散らしたりし…